グランクレスト戦記
正統派ファンタジー。
冒頭の『中世〜近代ヨーロッパ的な世界観』の通りに、ファンタジーと聞いて思い浮かべる情景そのものの世界観。
細かな世界観などは記載されておらず、農民が育てる作物は小麦や大麦が主流で、これを元に作ったパンや粥が人々の腹を満たすなど話を広げやすいようにわざと曖昧にされている。
情勢は混沌と戦乱に満ちた世界観との記述があるように、国家間の争いと大陸に蔓延る混沌が軸となる。
選べるクラスは三種類。
混沌を打ち祓う事のできるロード、混沌を操り魔法を扱うメイジ、混沌をその身に取り入れることで類い稀なる身体能力を得るアーティストの三種類である。
追加のルールブックで増えるが、それは追記で説明する。
特徴
混沌
人為的に具現化することも、操ることもできる魔法に近いものと思われるが、その詳細は不明である。
この混沌は大地を覆えば土は毒沼と化し、奇怪な毒草が生い茂る。 人類に有害な結果を齎すことがおおいので人々の恐怖対象であり、憎むべき力でも有る。
千年単位で大陸を脅かし続けているところから早々に解決できるものではないのだろう。
ロード
彼の者の居る地は混沌が祓われ浄化される、人々が安心して住まう地を保持できる事から領地を構えるものが多い。
しかし一方で渡り鳥のように定住せずに旅をする者もいるので、その在り方はロードそれぞれである。
三クラスの中では貴族出身や王族を思わせる設定があり、聖印が継承されるものであることから王宮の陰謀に巻き込まれやすい設定を付けられる。
勿論、素質さえあれば貧民であろうとも君主になる事ができるので、様々なキャラメイクがしやすい。
メイジ
炎を生み出したければ炎を想え。 との記述があるように、想像から混沌をエネルギーとして放出できる存在。
場の混沌濃度を調整する事が出来るので、その能力は未知数。
アカデミーや魔法師協会などといった知に携わる組織との関わりが深い。
また、文字の読み書きができるだけで職がもらえる世界からしてみれば、この地位はエリートや学士といった者らと同等になるだろう。
その地位やライフパスから、ロードを補佐すべき職というイメージが強い。
アーティスト
運が悪ければ死ぬと記載されている事から、望んでアーティストとなるのは難しい事なのだろう。
核を取り入れた人間はその身体にアーティストたる証拠である邪紋が浮き上がる。
もはや人間でないと書かれていることから、差別や忌み嫌われる象徴にもなりやすいのではないだろうか。
国造り
その国はどのような場所にあって、どのような産業があって、どのような組織があるのか。
追加のルールブックでは様々な事象を取り入れる事が出来るので、かなり細かく設定することが出来る。
リンク
公式のグランクレストを遊ぶのページから、ルールブック1の内容が無料で公開されているので、興味を持った方は是非読んでみよう!グランクレスト グランクレストの公式HP。 キャラクターシートやデータが多く記載されている。
感想
いいところ
様々なクラスや魔法などがあるので差別化しやすい。
追加のルールブックで更に楽しく遊べる
サンプルキャラクターでも楽しく遊べる
ルールブック1が無料で公開されているのでお試ししやすい
因縁といったキャラ同士の繋がりを明確にできるのでRPしやすい
あんまり良くないこと
細かな設定を持たないファンタジーなので、受け取り方次第では衝突しやすい。
(例えば眼鏡や、機械類といったものがどこまで普及されているのかなど)
ルールの把握に時間がかかる。(そこが面白いところでもあるが、TRPG初心者にはちょっと厳しいかもしれない)
ルールブックが多く出ている、またサイズが不揃い(文庫とB5)なので揃えづらい
総評
ルールブック1が無料で公開されているのでお試しで遊ぶことが出来る。
ダイスの処理や戦闘シーンではRPGのように複雑なところがあるので慣れるまでは時間がかかるかもしれないが、慣れば楽しみの一種として遊べるだろう。
キャラ同士の繋がりや因縁など、セッション中に昇華していける部分も数多いので『遊びながらキャラクターを育てる』には良いゲームである。
2015/10/06